2024年1月。長年愛用してきた『FUJIFILM X-T3』とお別れしました。

今回の記事はFUJIFILMのカメラのファンの方、FUJIFILMのカメラが嫌いな方、どちらにも不快な気持ちにさせてしまう記事になるかもしれません。
しかしながら、私個人のカメラ趣味生活においてかなり重要な出来事でしたので、備忘録としてここに書き残しておきたいと思います。
※ここからつらつらと長い文章を書きますが、今回の記事を要約すると『FUJIFILMのカメラ売ったけどまた買ったよ』ってだけの話です。よろしければお付き合いください。
私とFUJIFILM Xシステム

SS1/26 F6.4 ISO640
記憶が定かではありませんが、おそらく私が初めてFUJIFILMのカメラを手にしたのは2017年の年末。
当時初めて買った一眼レフ機の「前ピン後ピン問題」に悩まされていた私は、ミラーレス機であれば機構的にその問題がないことを知り思い切って買い替えることに決めました。
2017年はCanonとNikonの両雄がまだミラーレス機に本格参入しておらず、「ミラーレスなんてまだまだ使えない、やっぱりレフ機だよね」という声が多かったように記憶しています。

SS1/1500 F4
しかしこの時期SONYのミラーレス機は急速に進化しており、「所詮家電屋のカメラでしょ?」と多くの人が口にしつつもそう遠くない未来にレフ機の時代は終わり、新たにミラーレス機の時代が到来することを感じていた時でもありました。
フルサイズなんてとても買えなかった私はAPS-C機でカメラを探しました。
当時のAPS-Cミラーレス機で選べるメーカーはSONYとFUJIFILMのほぼ2択(正確にはCanonのEF-Mマウント機がありましたが未来はないだろうと当時から言われていました。残念ながら実際になくなりましたね。個人的にすごく魅力的に感じていたので残念)
私はFUJIFILMのX-T2を選びました。

SS1/55 F11

「オレはフジのカメラが人気になるずっと前から使ってんだぜ〜、グフフ!」
と、言いたいところですが全然そうではありません。
当時私がよく見ていたスターカメラブロガーの皆さんはすでにフジのカメラをカッコよく使っており、現在ほどではないもののすでに人気がありました。
そのようなブログや動画、雑誌などをみてデザインに一目惚れし、評判のフィルムシミュレーションが気になったのがX-T2を購入した理由です。
さらにネット上では「SONYのカメラは使っていて面白くない!絵が悪い!使い手のことをわかっていない!所詮家電屋だよね!」などの辛辣な言葉をよく目にしていたので(2025年現在もよく目にしますが…)すっかり信じ込んだ私は「SONY?それは無いわ!」となっていました。
そんな私が今ではSONYのカメラにどっぷりハマっているんですから、カメラって使ってみないとわからないとこがまた面白いですよね〜。

・・話がそれましたが、そんなこんなで私とFUJIFILMのカメラとのカメラ趣味生活が始まりました。
とにかくデザインが好きなFUJIFILMのカメラ

レフ機で悩まされていた「前ピン後ピン問題」はX-T2に乗り換えたことで解消されました。
狙ったところに正確にピントが合うミラーレス機に感動したことを覚えています。
絶賛されていたフィルムシミュレーションですが残念ながら私には合いませんでした。
どのフィルムシミュレーションを選んでも作品のように撮れるのはいいんですけど、見たまんま、ナチュラルに、味付けなしで表現してくれるカラープロファイルがないように感じたんですよね。あくまで個人的な感想ですが。
しかしすでにX-T2のデザインや質感にメロメロになっていた私は他メーカーに移行することは全く考えていなかったので、Adobe社のLightroomを導入しRAW現像で対応することにしました。

SS1/52 F4
初めてミラーレス機を使った私は瞳AFにも感動。動きのない家族写真は簡単にガチピンで撮れるようになりました。
しかし動きものには絶望的に弱かったX-T2をその後発売された後継機種『X-T3』に買い換え。

多少マシにはなったものの子供の徒競走を素人がカメラ任せで簡単に撮れるレベルのAF性能ではありませんでした。
それでもデザインにメロメロだった私はその後発売されるであろう後継機種に望みを託し、少しずつですが複数本のレンズを買い揃えその時を待ちました。

好きなんだけど使っていて悲しくなってきたFUJIFILM

SS1/200 F8
色々な不満は感じつつも「カメラがカッコいいから好き!」で全て帳消しとなりFUJIFILMのカメラを楽しんでいたのですが、そんな折に衝撃のニュースを耳にしたのです。
『X100VのPVが炎上している』
カメラ界隈では有名な出来事でしたので覚えている方も多いのではないでしょうか。過去の出来事ですので今更詳しく振り返ることはしません。が、衝撃でした。
私はアートを専門的に学んだ人間ではないのであの撮影スタイルに是非を問うことは出来ません。確かに作品だけをみるとカッコイイなとは思いますが、なんとも言えない気持ち悪さや恐怖を感じました。
何より自分の愛するカメラを作ってくれたメーカーが、国際的な評価を得てるとはいえその様な写真家の過激な撮影スタイルを新発売するカメラのメーカー公式PVとして採用したことに驚いたし悲しくなりました。
その後もFUJIFILMはカメラ界隈で何かと話題になり続けます。
人気が出てきたカメラをいつの間にかディスコンにしたり、何年待ってもまともに買えない商品があるのに新商品をバンバン出したり、品薄で受注停止にした直後にいきなり値上げしたり。
予約しても何ヶ月も待たないといけない状態がいつまでも続くので世界的にすごい人気なんだなぁと思っていたら買えないのは日本だけで、海外では普通に店頭で買えるとの噂が聞こえてきたり。
株主総会での社長の発言も話題になりましたね。あくまで書面で見ただけなので実際にどのようなニュアンスで発言されたのかはわかりませんし、受け取り側の立ち位置によって感じ方は様々でしょう。
ただし日本人のFUJIFILMカメラユーザーは複雑な気持ちになった方が多かったのではないかと思っています。私は悲しかったし、どこか虚しくなりました。

SS1/480 F2.8
X-T5はX-T一桁機のファンとして理想的なカメラだったのですが長い間まともに買えなかったし、X100Ⅵは発売前から何回も抽選に応募しましたが全部はずれました。
途中から使っていたSONYのカメラが高性能で描写も気に入っていたこともあって、X-T3とレンズ数本を手放し、FUJIFILMのカメラとお別れすることにしました。
いなくなって気付く愛おしさ

1/8000 F4.8
売却するために梱包するときはすごく寂しい気持ちになったんですけど、いざ手放してみるとなんかこう心にかかった霧が晴れたような感じでスッキリしました。
手元に残ったSONYのカメラはとても優秀。性能は高いし使い勝手も良く考えられてるし画質や色だって私は好きです。レンズに関しても小型軽量でありながらクリアでシャープ。速いしね。写真撮ってて楽しいです。
私レベルのカメラ趣味人にはなんの不足もない、むしろ勿体無いくらいです。
・・・手放して半年くらい経った頃でしょうか。家でぼーっとしてる時にふと思ったんです。
「・・・寂しい・・」
いつもそばにあったはずのカメラがここに無い。
心にぽっかり穴があいたみたいだ・・・。一体なんなんだこの気持ちは?
好きになったり嫌いになったり寂しくなったり非常にやばいメンヘラカメラ野郎っぷりです。
ほんとにやばいよね。いやっ、そもそもオレはFUJIFILMには怒ったけどフジのカメラが嫌いって思ったことは一度もねーぞ・・・。
漠然とした寂しさの答えはFUJIFILM公式の動画にありました。
『愛おしさという哲学』
まさにその通りだなと思いました。私はFUJIFILMのカメラに愛おしさを感じてるな。
ロマンも感じてるし五感で愛してるかもしれない。さすがに匂い嗅いだりかじったりしないから三感か。
私はFUJIFILM公式チャンネルの動画をよく見ますが、ちょいちょい物申したくなるものが多いんですよ。『愛おしさという哲学』もそうです。全肯定してるわけではないんです。でもね、心に響きました。ちょっと感動したしね。
公式チャンネルまでよく見てる時点で、私はFUJIFILMのカメラがめちゃくちゃ好きなんだと気づきました。自覚はないけど実は私、かなりヤバイ部類のフジ信者なのか?
そんな訳で、

ハロー、X-T5。
これからどうぞよろしく。

コメント